大方の予想通り、2020年度から始まる英語民間試験の活用が延期になりました。
今度はこれも予想通り、数学・国語の記述式試験にも批判が噴出(後出しじゃんけんの野党議員やマスコミも沢山います)しています。
国語については門外漢なので言及は控えます。ただ、数学以上に採点が大変だろうことは容易に想像できますが。
そもそもの出発点は、2013年10月に安倍晋三首相が設けた教育再生実行会議の「知識偏重の1点刻みの選抜からの脱却が必要」との指摘から始まりました。
数学を指導している立場からすれば,旧共通一次やセンター試験のような「答えさえ合えば,途中のプロセスに関係なく〇」などという試験にはもともと大反対です。
そういう意味で、解法のプロセスを重要視する記述式こそが試験本来のあるべき姿だと思っています。
過去には「これが記述式なら背景のある素晴らしいの問題なのに」と(個人的に)思った問題が数多くありました。
しかし残念ながらマーク式の時間攻めの問題のため、出題者の苦労(マーク式用に作成したのだとは思いますが)が報われていないと感じました。
教育再生実行会議や中央教育審議会も「解き方のプロセスが大切」というメッセージを発しています。この点については私も全く異論はありません。
ただ一番の問題は、現高校2年生を始め多くの専門家が指摘している通り、50万人ほどが受験する試験を
① 採点基準を厳格にして採点の不公平が出ない
② 短い期間で採点する
③ 正確な自己採点が可能
このようにすることなど本当にできるものなのでしょうか。
またこれを一部の民間業者に丸投げして、国は本当にそれで良いと思っているのでしょうか。国が責任を持って実施できない試験などやるべきではありません。
個人的には、センター試験や共通テストなどの一斉テストなどは廃止すべきだといつも思っています。
そして国公立大学は、今まで以上に各大学が真に求める受験生をしっかり見極めることが出来る入試問題を作成することが求められます。
令和元年11月11日
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